【G検定|理解型予想問題】確率・条件付き確率・ベイズの定理はなぜ混同する?

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確率、条件付き確率、ベイズの定理は、どれも「ある出来事が起こる可能性」を扱うため、混同しやすい用語です。

しかし、3つの用語では、確率を求めるときの前提が異なります。

条件を付けずに出来事の可能性を見るのが確率、ある条件が分かっている状態で可能性を見るのが条件付き確率です。ベイズの定理では、観測した結果をもとに、原因である可能性を更新します。

この記事では、確率、条件付き確率、ベイズの定理の違いを、全10問の理解型予想問題で整理します。

あくまで「予想問題」です。
理解促進のための参考程度でご利用ください。

確率・条件付き確率・ベイズの定理はなぜ混同する?

確率、条件付き確率、ベイズの定理は、すべて確率を扱います。

そのため、数式だけを見ると違いが分かりにくくなりますが、次の3つに分けると整理しやすくなります。

用語 一言でいうと 見分けるポイント
確率 ある出来事が起こる可能性 条件を付けずに考える
条件付き確率 ある条件のもとで出来事が起こる可能性 「Bが起きたときのA」を考える
ベイズの定理 観測した結果から原因の可能性を更新する考え方 結果から原因へ向きを逆にする

見分け方は、次のように整理できます。

条件を付けずに可能性を見る
確率
ある条件のもとで可能性を見る
条件付き確率
観測した結果から原因の可能性を更新する
ベイズの定理

特に重要なのが、次の2つを区別することです。

  • P(A|B):Bが起きたときにAが起きる確率
  • P(B|A):Aが起きたときにBが起きる確率

P(A|B)とP(B|A)は、一般的には同じ値になりません。

問題①

袋の中に赤いボールと青いボールが入っている。袋からボールを1つ取り出すとき、「赤いボールが出る可能性」を表すものとして最も適切なのはどれでか?

  • A. 確率
  • B. 条件付き確率
  • C. ベイズの定理
  • D. 標準偏差
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 A

解説

確率は、ある出来事が起こる可能性を数値で表したものです。

この問題では、赤いボールが出るという出来事について、特別な条件を付けずに可能性を考えています。そのため、通常の確率に該当します。

条件付き確率は、「青いボールを取り除いた後」など、何らかの条件が分かっている場合に使います。

見分けるポイント

条件を付けずに「どのくらい起こりそうか」を見る場合は、確率です。

問題②

ある学校で「G検定の勉強をしている人の中から、模擬試験に合格した人の割合」を調べることにした。この割合を表すものとして最も適切なのはどれか?

  • A. G検定の勉強をしている確率
  • B. 模擬試験に合格する確率
  • C. G検定の勉強をしているという条件のもとで、模擬試験に合格する条件付き確率
  • D. 模擬試験の点数の分散
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 C

解説

この問題では、調査対象が「G検定の勉強をしている人」に限定されています。

つまり、「G検定の勉強をしている」という条件が分かった状態で、模擬試験に合格する可能性を見ています。

このように、ある条件のもとで別の出来事が起こる確率を、条件付き確率といいます。

見分けるポイント

「〇〇の人の中で」、「〇〇が起きた場合に」という表現がある場合は、条件付き確率を疑います。

問題③

迷惑メール判定システムが、メールに「無料」という単語が含まれていることを確認した。この情報を使って、そのメールが迷惑メールである可能性を更新するときに使われる考え方として、最も適切なのはどれか?

  • A. 標準化
  • B. ベイズの定理
  • C. 勾配降下法
  • D. 主成分分析
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 B

解説

ベイズの定理は、観測した情報をもとに、ある原因や仮説が正しい可能性を更新するために使われます。

この問題では、「無料という単語が含まれている」という観測結果から、「迷惑メールである可能性」を見直しています。

最初に考えていた迷惑メールの確率に、新しく得られた情報を反映している点が重要です。

見分けるポイント

結果や証拠を確認した後に、原因や仮説の可能性を更新する場合は、ベイズの定理です。

問題④

100人の受験者のうち、40人が数学分野の問題に正解した。数学分野に正解した40人のうち、30人が統計分野の問題にも正解した。数学分野に正解したという条件のもとで、統計分野にも正解した確率はいくつか?

  • A. 30%
  • B. 40%
  • C. 70%
  • D. 75%
Q
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正解

 D

解説

条件付き確率では、条件に該当する人だけを分母にします。

この問題では、「数学分野に正解した40人」が基準です。そのうち30人が統計分野にも正解しています。

したがって、求める確率は次のようになります。

30 ÷ 40 = 0.75

よって、75%です。

100人全体を分母にして30%としないように注意が必要です。

見分けるポイント

条件付き確率では、全体ではなく「条件を満たした集団」が新しい全体になります。

問題⑤

病気をA、検査結果が陽性になることをBとする。「検査結果が陽性だった人が、実際に病気である確率」を表すものとして、最も適切なのはどれでか?

  • A. P(B)
  • B. P(A|B)
  • C. P(B|A)
  • D. P(A)×P(B)
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 B

解説

P(A|B)は、「Bが起きたという条件のもとで、Aが起きている確率」を表します。

この問題では、すでに検査結果が陽性であることが分かっています。その条件のもとで、実際に病気である確率を求めます。

したがって、P(A|B)です。

一方、P(B|A)は、「病気である人が検査で陽性になる確率」です。

次の2つは意味が異なります。

確率 意味
P(病気|陽性) 陽性だった人が病気である確率
P(陽性|病気) 病気の人が陽性になる確率
見分けるポイント

縦線「|」の右側が、すでに分かっている条件です。

問題⑥

ある病気にかかっている人の割合は1%である。病気の人が検査を受けた場合、90%の確率で陽性になります。一方、病気ではない人も5%の確率で陽性になる。検査結果が陽性だった人が、実際に病気である確率として最も近いものはどれか?

  • A. 約1%
  • B. 約5%
  • C. 約15%
  • D. 約90%
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 C

解説

1万人が検査を受けたと考えると整理しやすくなります。

病気の人は1%なので、100人です。そのうち90%が陽性になるため、病気で陽性の人は90人です。

病気ではない人は9,900人です。そのうち5%が陽性になるため、病気ではないのに陽性となる人は495人です。

陽性となる人の合計は、次のとおりです。

90人 + 495人 = 585人

そのうち、実際に病気である人は90人なので、次のようになります。

90 ÷ 585 ≒ 0.154

したがって、約15%です。

検査の精度が高く見えても、もともと病気の人が少ない場合、陽性者の中に偽陽性が多く含まれることがあります。

見分けるポイント

P(陽性|病気)が90%でも、P(病気|陽性)が90%になるとは限りません。

問題⑦

ベイズの定理に関する用語の組み合わせとして、最も適切なのはどれか?

  • A. 事前確率 = 観測前の確率
      尤度 = 仮説のもとで証拠が得られる確率
      事後確率 = 観測後に更新された確率
  • B. 事前確率 = 観測後の確率
      尤度 = データの平均
      事後確率 = 観測前の確率
  • C. 事前確率 = 損失関数
      尤度 = 評価指標
      事後確率 = 学習率
  • D. 事前確率 = 分散
      尤度 = 標準偏差
      事後確率 = 共分散
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 A

解説

ベイズの定理では、観測前に持っていた確率を、新しく得られた証拠を使って更新します。

用語 意味
事前確率 証拠を確認する前の確率 メール全体に占める迷惑メールの割合
尤度 仮説が正しい場合に証拠が得られる確率 迷惑メールに「無料」が含まれる確率
事後確率 証拠を確認した後の確率 「無料」を含むメールが迷惑メールである確率

流れとしては、次のように整理できます。

観測前の可能性
事前確率
新しい証拠を確認する
尤度を使って更新する
事後確率
見分けるポイント

事前確率は更新前、事後確率は証拠を反映した更新後の確率です。

問題⑧

出来事Aと出来事Bが互いに独立している場合、P(A|B)について最も適切な説明はどれでか?

  • A. 必ず0になる
  • B. 必ず1になる
  • C. P(B|A)より必ず大きくなる
  • D. P(A)と等しくなる
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 D

解説

出来事Aと出来事Bが独立している場合、Bが起きたという情報は、Aが起きる確率に影響しません。

そのため、Bが起きたという条件を付けても、Aの確率は変化しません。

つまり、次の関係になります。

P(A|B)=P(A)

たとえば、別々に投げた2枚のコインでは、1枚目の結果は2枚目の結果に影響しません。

見分けるポイント

条件を知っても確率が変わらない場合、2つの出来事は独立しています。

問題⑨

ナイーブベイズ分類器について、最も適切な説明はどれか?

  • A. データを距離の近いグループに分ける手法
  • B. 複数の決定木を組み合わせる手法
  • C. 特徴量がクラスを条件として独立すると仮定し、ベイズの定理を使って分類する手法
  • D. 誤差を逆方向に伝えて重みを更新する手法
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 C

解説

ナイーブベイズは、ベイズの定理を使って、入力データがどのクラスに属する可能性が高いかを計算する分類手法です。

「ナイーブ」と呼ばれるのは、それぞれの特徴量が、クラスを条件として互いに独立していると単純に仮定するためです。

たとえば、文章に含まれる単語を特徴量として、迷惑メールか通常のメールかを分類する場合に使われます。

Aはk-means法などのクラスタリング、Bはランダムフォレスト、Dは誤差逆伝播法の説明です。

見分けるポイント

ベイズの定理と「特徴量の条件付き独立」を組み合わせた分類手法が、ナイーブベイズです。

問題⑩

迷惑メール判定について、次の3つを考える。

① メール全体の中で迷惑メールが占める割合
② 「無料」という単語を含むメールの中で、迷惑メールが占める割合
③ 「無料」という単語を観測した後、迷惑メールである可能性を更新する考え方

①から③に対応する組み合わせとして、最も適切なのはどれか?

  • A. 条件付き確率、確率、標準偏差
  • B. 確率、条件付き確率、ベイズの定理
  • C. ベイズの定理、確率、条件付き確率
  • D. 確率、分散、ベイズの定理
Q
正解・解説(クリックで開きます)

正解

 B

解説

メール全体の中で迷惑メールが占める割合は、特定の条件を付けていないため、確率です。

「無料」という単語を含むという条件のもとで、迷惑メールである割合を見る場合は、条件付き確率です。

さらに、「無料」という観測結果を使って迷惑メールである可能性を更新する考え方が、ベイズの定理です。

確認する内容 用語 見分け方
メール全体に占める迷惑メールの割合 確率 条件なし
「無料」を含むメールが迷惑メールである割合 条件付き確率 条件あり
「無料」という証拠から迷惑メールの可能性を更新する ベイズの定理 結果から原因を更新
見分けるポイント

確率は可能性、条件付き確率は条件のもとでの可能性、ベイズの定理は証拠を使った確率の更新です。

確率・条件付き確率・ベイズの定理を混同しないための整理

確率、条件付き確率、ベイズの定理は、「条件」と「確率を考える向き」に注目すると見分けやすくなります。

用語 確認するもの 問題文の手がかり
確率 ある出来事が起こる可能性 起こる確率/割合/可能性
条件付き確率 ある条件のもとで起こる可能性 〇〇の中で/〇〇が起きたとき
ベイズの定理 証拠を観測した後の原因の可能性 結果から原因を推定/確率を更新

数式だけで覚えるのではなく、次の3つで整理しましょう。

条件なし
確率
条件あり
条件付き確率
証拠から原因の可能性を更新
ベイズの定理

まとめ

確率、条件付き確率、ベイズの定理は、すべて出来事が起こる可能性を扱います。

ただし、それぞれが確認している内容は異なります。

確率は、条件を付けずにある出来事が起こる可能性を表します。

条件付き確率は、ある条件が分かっている状態で、別の出来事が起こる可能性を表します。

ベイズの定理は、観測した結果や証拠を使って、原因や仮説が正しい可能性を更新する考え方です。

特に、P(A|B)とP(B|A)を同じものとして考えないことが重要です。

最後に、3つの違いを整理します。

用語 覚え方
確率 条件を付けずに可能性を見る
条件付き確率 条件を絞って可能性を見る
ベイズの定理 結果を見て原因の可能性を更新する
確率
条件なし
条件付き確率
条件あり
ベイズの定理
証拠を使って確率を更新

この違いを押さえておけば、数式の形が似ていても、それぞれの役割を見分けやすくなります。

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